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Posted by 小雪空蝉 on  | 

漫画『極黒のブリュンヒルデ』

祝! アニメ化決定!!
ぶりゅひ


はっきり言いますが、この漫画、カワイイ女の子がたくさん出てきます。

そして、たくさん死にます。

しかもドロドロに肉を溶かして、死にます。

彼女達は悲鳴をあげながら、生きたいと叫びつつ、死んでいきます。

まさしく『絶望』の物語。
――死と隣り合わせの、平凡な学生生活。
だからこそ、少女たちの一瞬一瞬は、煌めいていた。


そんな残酷だけれども美しく生々しい漫画、『極黒のブリュンヒルデ』ご紹介させて頂きます。


@十段階評価@

シナリオ(情報は精選されているかどうか):
キャラ(キャラクターは個性溢れるか。魅力的か):
ヒキ(次のシーン・ページをを見たくなるか):
世界観(話の独創性、その世界は独創性があるか):
リアリティ(設定、キャラの行動に綻びがなく、正しいか):

総合得点82点

(評価はあくまで目安であり、私個人のものです。その価値を厳に定めるものではありません。ご了承下さい)


このアニメ(漫画)を見て面白いと思える人は――
漫画/アニメ『エルフェンリート』
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン、並びに新エヴァンゲリオン』
漫画/アニメ『進撃の巨人』
漫画『ガンツ』
映画/アニメ『魔法少女まどか・マギカ』
漫画『テラフォーマーズ』を面白いと思った人でしょう。


また、この作品を強くオススメ出来るのは――
『魔法少女まどか・マギカ』・『エルフェンリート』・『エヴァンゲリオン』
を見て面白いと感じた方へです。



まずは簡単に導入部分を。


主人公『村上良太』は幼い頃、事故で幼なじみを失ってしまう。
そして良太は高校生となった現在、その幼なじみの夢を継ぐ形でNASAの職員になることを目指し、天文部学生としての日々を過ごしていた。
そんな平凡なある日、一人の転校生が良太のクラスに転入してきた。
転校生の少女は『黒羽寧子』と名乗り、その容姿は幼少に失った幼なじみにそっくりなものだった。
驚き戸惑う村上に彼女、黒羽寧子は言う。
「私は魔法使いだから」


(ここから軽度のネタバレになります。おそらく物語の面白味を損なうものではありませんが、ご注意下さい)


さて、導入ではキャラが死亡する要素などまるで感じられませんね。


ですので、もう少し掘り下げて説明しますと、寧子の言う『魔法使い』というのは、とある研究機関によって生み出された『実験動物』のようなものなのです。
彼女達は各々人間離れした特殊な能力を持ち、それを指して『魔法』と呼び、また『魔法使い』強調文を名乗っているわけです。
そして『魔法使い』たちは研究機関で極秘裏に管理されており、その中で凄惨な扱いを受けている。
特に能力のレベルの低い魔法使いはあっさりと廃棄。つまりは殺されているのです。

寧子たち魔法使いはその廃棄の寸前にどうにか逃げ出して来たのですが、極秘の存在である魔法使いを研究機関も放ってはおけません。
その為、戦闘能力に優れた魔法使いを刺客として放つ。そしてそれと戦う。というのが大まかなお話の流れです。

では引き続き、どういうところがこの作品の見所となるのか、を紹介していきます。

見所1「残酷な運命に翻弄される少女達の姿」
まず逃亡をしているという段階で、少女達の生活がかなり厳しいことになってしまうのは必然です。秘密組織に研究対象とされているだけあり、外の世界に身よりもなく、自分たちの力でのみの生活を余儀なくされます。
(尚、彼女達が学校に転校出来るのは、仲間内に優秀なハッキング能力者がいるから)
しかしそんなことより何より、その生活を悲惨にしているモノが、「鎮死剤」と呼ばれる薬剤の存在です。
魔法使いの少女達は、この鎮死剤を一日一つ使用しなければ、例外なく死亡します。
ただ使用しなかったからと言ってすぐ死ぬわけでは無く、肉体を崩壊させながら二日ほどの時間で死に至るようです。

つまり、鎮死剤とは魔法使いの少女達にとって、目に見える命の欠片であるということです。
しかし逃亡中の彼女達に満足な量はありません。

日々、目に見えて減っていく命の恐怖、そして逃げ出した魔法使いを殺すために放たれる、強大な能力を持つ刺客達による追撃の恐怖。

様々な恐怖と不安に包まれる中で、一見平凡でありながらも幸せな毎日を過ごす、というそのギャップはとても見応えがあります。
特にそのギャップが故に、登場人物達の感情は容易く昂ぶり、それが普通つまらなくなってしまうだろう日常シーンにドラマが溢れるというのは特筆すべき所でしょうか。

見所2「個性溢れるキャラクター」
なんと言ってもこの作品、登場人物がそれぞれに素晴らしい個性を持っているのです。

黒羽 寧子(くろは・ねこ)
とんでもなく優しいがやや天然な部分もあるヒロイン。人助けスイッチがあり、それが入るとどんな相手も助けたくなってしまうらしい。
ねこ

橘 佳奈(たちばな・かな)
とんでもなく口が悪いヒロイン。その癖、身体は動かせず、自分では何も出来ない。また身体が動かせない為、食事も流動食しか取れない。
カナ

カズミ・シュリーレンツァウアー
惚れた主人公にとにかく色んなアタックを繰り返す、それでも本当は奥手なヒロイン。主人公の些細な言動にも一喜一憂するところがカワイイ。
カズミ

鷹鳥 小鳥(たかとり・ことり)
とんでもない天然の癒やし系ヒロイン。危険な状態でも素でギャグめいたことを言ったりと、ずれている人物。でもカワイイ。
ことり2

他にも
無口系のヒロイン。本音をちょっとも隠さず主人公に真っ直ぐアタックを続けるやや腹黒系ヒロイン
……などなど。

ヒロイン(女性キャラ)は沢山出てきますが、そのそれぞれが独立した個性を持っていて全くと言って言いほどキャラ被りしていないのです。
彼女達の個性と、そして前述したとおり、登場人物の感情を掻き立てる絶望的な現状が、よりキャラの造形を際立たせています。
重ねて、どのヒロインも何かしら魅力的に描かれていることも素晴らしい。捨てヒロインが殆どいないのです。だからこそどのヒロインにも愛着が湧きます。

ですが、その癖、シナリオは危機的な状況を描いていますので、当然生と死が行き交うわけで。私、自身、このお話を読んでいる間も「あー死なないでぇ!」と内心で叫んでいました。
そういうはらはらする緊張感もまた、この極黒のブリュンヒルデの魅力の一つかも知れないです。

おまけみたいになってしまいましたが、後は男性陣も魅力的ですね。特に主人公と、その主人公に力添えをしてくれる叔父の研究者。この二人はしっかりキャラが立っています。
主人公は物語の顔であり、また読者の欲求を物語の中で代行してくれる存在です。言わずもがな、その人間性、キャラクターは作品の価値を決める大きな要素となります。

それでこのお話の主人公、村上良太君ですが、かなり優秀で性格も良いです。
村上君序盤の村上君台詞。

主人公の言動に関しては、殆どストレス無くお話を読み進めていけるのではないでしょうか。
彼は一般人で魔法使いでも何でも無いので、別に特殊な能力も、あるにはありますが、現実的なラインでしかありません。
そういう主人公が、きっちりと物事を考えて、ヒロインに的確にアドバイスをして、危機を乗り越えていく。そしてそれら主人公の行動にヒロイン達が尊敬と愛慕を寄せていく。その様子にはエンタメらしい、しっかりとしたカタルシスがあります。
その主人公の思考はちょっと飛躍があったり、あるいは誰でも分かりそうなこと、というのも含まれているかも知れません。
しかし、私自身の主観で言えば、違和感を覚えるということはあまりありませんでした。(そもそも私は物語を読んでいる瞬間にあまり考えを回さないタチなのでそれが影響しているのやも知れませんが……)

主人公の叔父のキャラも、凄まじい偏屈ぶりとしかし頼りがいのある知識と頭脳のギャップに好感を持ってしまいます。
こごろー


兎にも角にも、主人公やそのヒロイン達の言動は瑞々しく、読者を飽きさせない輝きがあることは間違いないと思います。

見所3「細部の伏線とSF要素」
エヴァンゲリオン、進撃の巨人、ever17、これらはいずれも名作です。そしてこれらに共通するのは、特有の勿体ぶった描写。所謂伏線、あるいは布石でしょうか。
例えば「人類補完計画」
この言葉はエヴァの作った固有名詞ですが、ぱっと聞いただけでは、その意味を全く想像出来ません。だというのに劇中の人物達、しかも訳知り顔の上層部達が何度も使用するので、印象的で、とてもその意味が気になります。
ですが、その意味は最終話間際まで明らかになることはありませんでした。
その他にも、エヴァの存在、生まれ、地下に存在する使徒の意味など……様々な謎があり、しかしそれらの意味は終盤になってからようやく明かされ、あるいは語られなかった謎もあります。

こういう伏線というのは、私たち視聴者に強く訴求してきます。
この謎が気になるから先が見たい。
単純な真理ですが、単純故に強力です。
しかも、その謎が登場人物達の行く先に密接に関係するのなら尚更です。

これは例えば進撃の巨人でいう、巨人の正体について、というのがわかりやすい例ですね。
巨人達は主人公エレン達人間を、その巨大な体躯と人間に対する害意で殺めていく。
しかしながら、その行動原理、つまりは人間を殺す、というその理由は全く分かりません。
(読者に近い視点を持つ主人公達には)
主人公エレン達は巨人に身内を何人も殺されているのですから、巨人に対して怒り、その上で「何故人を殺すのか?」という疑問も当然抱くでしょう。
重ねて巨人は人を殺すのに、捕食を目的にしているわけでは無いということが明らかになって、エレン達のその疑問も一入になります。
そしてエレンに近い視点を持ち、エレンの感情に同調してしまう我々読者も、エレンと同じ疑問を等しく持ってしまうわけです。

要するに、強く感情移入させてしまうことで、物語に対する『迫真』を増させて、より深く考察を増させる。という仕組みがあるわけなんですが、それがこの極黒のブリュンヒルデにも存在しています。
何故ヒロイン達は魔女と呼ばれ、酷い扱いを受けるのか。
それはメインヒロイン達の艱難を見ている読者にとって、強い疑問となります。
そしてその理不尽な扱いの理由を探し求めて、次のページを捲ってしまうわけです。
しかし答えは無く、ただ思わせぶりなヒントがあって、更に考察を深めてしまい、物語の中へ更に没入してしまう。
そんな具合によく出来たヒキと伏線があるこのお話は、久々に次の一話が気になる作品です。

またその伏線要素が、実際に存在する「ニーベルングの指環」という楽劇の引用を多数行っていて、そこからもまた色々連想・妄想したくなります。
現実にある作品や神話などを引用すると、そんな考察の面白さもまた二重、三重に増えていきますね。その良い見本だと思います。
にーべるん


しかし。
こうやって説明させて頂いた後、偉そうにも一言言わせて貰うと、これらのSF伏線要素は、前述のエヴァンゲリオン他とかなり似ています。
これはもう間違いなく影響を受けているでしょう。
例えば「高千穂」(天孫降臨のあった一山の名前で、おそらくは魔法使いの研究所、そのパトロン)はゼーレに酷似していますし(変な場所で座って会談する、というのも。顔が見えないというのも。パトロンであると言うことも)重ねてその目的も似たようなものである様子。
ぜーれ

……他にも色々ありましたが確実にネタばれるのでここまでで。
そういう具合で、色々と他作品と似ている要素があるんですが、作品の地の出来が良いため、これと言って気になりもしません。
ですが、そこに目が行ってしまう方もいるかもしれませんので、一応作品紹介の中で言わせて頂きました。

この作品はエッジがキツイお話だと言えるでしょう。
言い換えるなら、はまる人ははまるし、駄目な人はとことん駄目、というお話とも言えるのです。
例えばフィクション作品の残酷描写が堪えられないと言う人は、おそらくあまりこの作品も合わないでしょうし、鬱になるようなお話が苦手な人も駄目でしょう。後は、萌えに拒否反応が出てしまう人も厳しいかもしれません。

けれどこの三要素が嫌いでは無い、むしろ「どんと来い」という人は確実に、もう絶対に気に入ると思います。


是非ともこの極黒のブリュンヒルデ、アニメ化前に手にとって見て頂きたいです!

(尚、この記事を書くにあたって用いたブログ記事がありますが、その記事を担当したのも私なので、コピーも問題ないと思われます。)




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Category : 漫画
Posted by 小雪空蝉 on  | 0 comments  0 trackback

漫画:『Landreaall』(ランドリオール)

当ブログ初の紹介文となりますのは、漫画『Landreaall』


Landreaall 1




@評価@

シナリオ(情報は精選されているかどうか):
キャラ(キャラクターは個性溢れるか。魅力的か):
ヒキ(次のシーン・ページをを見たくなるか):
世界観(話の独創性、その世界は独創性があるか):10
リアリティ(設定、キャラの行動に綻びがなく、正しいか):

総合得点78点

この漫画を見て面白いと思える人は――
児童書『ハリーポッター』漫画『最遊記(同雑誌掲載)』アニメ『千と千尋』『大抵の洋ファンタジー(グインサーガ・十二国記など)』
を面白いと思った人でしょう。



ではこの漫画の紹介をさせて頂きます。

まずは軽いあらすじです。




舞台は『アトルニア王国』その西端は『エカリープ』という土地で育った貴族DX・ルッカフォート。彼は火竜の封じられた木に、同じく宿る洞詠士(フースルー)マリオンに恋をする。
そしてDXはマリオンを救うことを決意し、戦うことを決めるのだが……。




はい。正直、文で見ても何が何だか……っていう感じですよね。

簡単に言うと『若干ひねくれ気味の貴族な主人公』がうっかり幽霊に恋しちゃって、しかもそれを成就させるためには最強の生物『竜』を倒さなければならない。
という始まりです。

まずこの物語第一の魅力は、この幽霊を救うのが『若干ひねくれ気味の主人公』というところでしょう。
最初に述べた通り、このお話の面白さは『キャラクター』なのです。

この主人公DXも中々のくせ者で、常にほわんほわんしています。いつもぼんやりとしていて、周囲の人々は彼について『何を考えているのか解らない』とそう言います。ちょっとDX可愛いです。
それでその癖、やるときはとことんやる。
そして自分が友情や親愛を感じる相手にはとことん助けるし、何でもする。しかし嫌いな相手、自分の仲間を傷つける相手には容赦しない。

という実に尖った感じの主人公です。
特に圧巻なのが、そのぼんやりとした表情をさせながら、仲間を傷つける敵を追い詰めていく様です。

DX


そしてまた、彼のキャラクターに深みを出させているのが彼が『貴族』であることなのです。
彼は若くありながらも王位継承権という権利を持つ貴族です。(ついでに結構有名人)
それ故にその貴族の名前『ルッカフォート』の力は絶大です。
誰もが擦り寄ってくるし、その名前を掲げれば、大人も子供も平伏します。
だが、DXはそれを良しとしません。
名前を使うことに卑怯さを感じているからなのです。(この辺りもやや捻くれてますね)
しかしそうは思っていても自分の名前に救われることもある。
そしてDXは自分の名前に恐怖したり、どう向き合っていけばいいのか悩んだりするのです。
その辺りの心理の変化もまた面白い。
DX1


ファンタジーなので『』も出てきますし、『幽霊』も出てきます。

りゅう


しかも強い。
災厄の一種としても数えられる竜の力は途方もありません。
ファンタジーの中で竜の扱いは色々ありますよね。
手なずけて乗れるとか、絶対に勝つことは出来ない強大な相手とか、結構弱くて案外勝てるとか……。
このランドリオールで竜は『早々は勝てないが、苦しくも勝利は可能』という位置づけです。

あと特筆すべきなのが、このファンタジーは基調は『洋』なのですが、所々に日本テイストが含まれていることです。
つまりは『ニンジャ』やら『サムライ』やらが登場するということです。
その考証にしても細かく、主人公とその妹イオンは護衛として『六甲』という名前の男を連れているのですが、彼はニンジャです。
ろっこー
(黒い眼鏡を付けているのが『六甲』。また画像下のカワイイのがDX妹の『イオン』)

世界観としてニンジャは主人の『道具』なのであり、個人ではない。
だがDXやその両親たちは六甲を一人の人間として扱う。そして六甲はどうあろうかと悩み、DXたちも、いかにすれば六甲が個人らしく、自分たちの友人として振る舞ってくれるかを真剣に考える。
そういう面からもこの物語全編を通して描かれる『友情』の魅力を感じられるでしょう。

あとはこの世界のニンジャたちもいわゆる『忍術』に近いものを使います。
姿を消すことが出来たり(厳密には視界に入らなくなる。これを使って常にDX・イオンを警護する)、特定の箇所にワープ出来たり、肉体の能力を引き出したり、と厨二要素もしっかり備えています。

ちなみにDXとイオンは六甲の師匠である人物に教えを請うているので、二人ともその年代にしては滅茶苦茶強いです。

そしてここから若干のネタバレを含みます。
(しかし軽度のネタバレなので読んでも大丈夫かと)







マリオンとの一件を終えてDXは自分の無知さを知る。そして両親の提案もあり、妹のイオンと従者でニンジャの六甲を加えて、彼らは王都である『フォーメリー』へと向かい、そこにある学舎で学生生活を送ることになる。

実質、マリオンとのお話は導入であり、ここからが本編という感じですね。
ここから爆発的にキャラクターが増加し、それに伴い魅力的なキャラクターも一気に増えていきます。


本日はここまでで続きは次回に。


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